大学生248人に聞きました 「スマホがなければ第1志望校に行けたかも」と3割が回答

2025/05/23

■特集:合格するための受験生活

受験勉強とスマホ使用の両立に悩む受験生が多いようです。実際のところ、受験生はどのようにスマホと付き合っているのでしょうか。学習管理アプリ「Studyplus」の大学生ユーザー248人に受験期を振り返ってアンケートに答えてもらいました。(写真=Getty Images)

勉強とスマホの両立に6割以上が苦労

スマホで調べものをするつもりが、ついSNSに夢中になっていたり、着信音が気になって勉強に集中できなかったり……。スマホはあると便利な半面、使い方によっては、時間を大きく奪う道具にもなります。それは、一分一秒も無駄にできない受験生にとっては大問題です。

実際には、どれだけの受験生がスマホに悩まされているのでしょうか。学習管理アプリ「Studyplus」の運営会社スタディプラスの協力のもと、大学生ユーザー248人に受験期について2025年3月にアンケートしたところ、「スマホと受験勉強の両立に苦労した」という人は63.7%に上りました(グラフ1)。

グラフ1(グラフ=編集部作成)

 

さらに、「スマホがなければ第1志望校(またはより偏差値の高い大学)に合格していたと思いますか」という質問に対しては、「はい」と答えた人が33.9%いました(グラフ2)。

この質問について、先ほどの「スマホと勉強の両立に苦労しましたか」の回答と合わせて見てみると、スマホに苦労しなかった人では「スマホがなければ第1志望校に合格できた」と感じている人は約1割なのに対して、スマホに苦労した人では約半数にのぼっています。スマホは、受験勉強に影響を与えるものということがわかります。

 

グラフ2(グラフ=編集部作成)

 

「受験勉強とスマホの両立に苦労した」という声を具体的に紹介しましょう。

 ・スマホを触ると、気付いたら時間が経っていた(慶應義塾大学1年)
・問題を解くたびにスマホを見てしまった(立教大学4年)
・勉強の休憩としてXやInstagramを見ていたら、勉強に戻れなくなった(関西大学1年)
・ついつい勉強に関係のないアプリなどを開いてしまい、勉強時間のロスにつながった(北里大学3年)
・休憩でスマホを触るとそっちに意識が行き、勉強に戻っても頭にスマホのことがチラついた(東京国際工科専門職大学2年)
・動画を視聴すると、時間がいつの間にか過ぎてしまった(共愛学園前橋国際大学1年)
・音楽を聴くためにスマホを近くに置いて、ついいじってしまった(学習院大学3年)
・SNSやYouTubeなどは勉強にも活用できるが、誘惑が多いため勉強に集中することに苦労した(北海道文教大学3年)

危機感を覚えて、利用を制限

では、回答した学生は、1日どのくらいの時間をスマホに費やしていたのでしょうか。高3の4月と12月の使用時間を聞いたところ、4月時点で最も多いのは「1時間以上3時間未満」の40.3%。次いで「3時間以上5時間未満」の36.3%、5時間以上の回答と合わせると3時間以上使っていた人が54.0%でした(グラフ3)。

これが12月時点になると、最も多いのは「1時間以上3時間未満」の40.7%でしたが、4月時点で長く使っていた人が使用を控えた傾向があり、3時間以上使っていた人は4月時点の54.0%から12月には37.1%と減少していました。代わりに「1時間未満」という人が、4月の5.6%から12月には22.2%に大きく増えていました。

グラフ3(グラフ=編集部作成)

ただし、これは英単語アプリや映像授業の視聴など、勉強のためにスマホを使った時間も入れた数字です。ゲームやSNSなど勉強以外で使った時間だけで見ると、4月に3時間以上使っていた人は27.9%だったのが、12月には18.5%と9.4ポイント減り、半数近くが1時間未満に抑えていたことがわかりました(グラフ4)。

グラフ4(グラフ=編集部作成) ※グラフの構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計値が100にならないものもあります。

スマホの使用時間を減らした人のコメントを見ると、「志望校に到底及ばない学力で相当焦っていた」(鎌倉女子大学2年)、「勉強が不足していることへの焦りから、勉強以外のことが手につかなかった」(九州大学1年)という回答がありました。ただ、「勉強中にスマホを使わないように何らかの制限をした」という人が約6割でした(グラフ5)。

スマホを制限した人の多くは、「勉強以外のアプリを入れないようにしたり、スクリーンタイム機能で制限をかけたりした」(広島大学4年)、「部活を引退してからスマホを押し入れに封印した」(神戸大学3年)など、使い方を工夫していました。スマホとの両立に苦労しなかった人も、4割がSNSを中心に何らかの制限をしていたと回答していました。受験生にとっては、わずかな時間も無駄にできないということでしょう。

グラフ5(グラフ=編集部作成)

 

ただ、スマホは時間を奪うという「負」の面だけでなく、勉強に便利な機能もあります。回答した学生たちはスマホをどうやって制限し、受験にどう活用したのでしょうか。後編に続きます。

>>【後編】スマホは受験勉強の敵か味方か? 「受験に役立った」と答えた8割の学生の活用法は

>>【特集】合格するための受験生活

(文=竹倉玲子)

 

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【写真】大学生248人に聞きました 「スマホがなければ第1志望校に行けたかも」と3割が回答

グラフ1(グラフ=編集部作成)
グラフ1(グラフ=編集部作成)

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