京大を卒業したアイドル・勝又春さん A判定なしでも合格できた「自己分析」の勉強法

2026/04/07

■著名人インタビュー

櫻坂46の四期生、勝又春さんは、2026年1月に京都大学の学生であることを公表しました。公立高校から京都大学に現役で合格し、大学3年でオーディションに挑戦。学業とアイドル活動を両立させて、26年3月に卒業しました。勝又さんに、挑戦の原点になった高校受験と、模試の判定がなかなか上がらない状況を乗り越えた大学受験のことを聞きました。(聞き手=朝日新聞「Thinkキャンパス」平岡妙子編集長、写真=京都大学の卒業式の日に、勝又春さん提供)

親の反対を押し切り、公立高校受験

――小学校から大学までの私立一貫校に通っていたのに、中学卒業時にあえて公立高校を受験したのはなぜですか。

中学時代の私はとても内気で、自分がやりたいことに挑戦できないタイプでした。でも、中2の時に、「このままエスカレーターに乗るように進学するのではなく、勉強の面で挑戦したい」という気持ちになったのです。

――そう思ったきっかけがあったのですか。

小学生の時、兄と同じ塾に通っていたんです。中学受験する子たちの塾で、私は受験しないのに「お兄ちゃんのついでに」という感じでした(笑)。でも、塾の友達は必死で志望校を目指して勉強していたし、努力して勝ち得た中学生活はとても充実しているように見えていたのです。それで私も、漠然と勉強面で挑戦したいと思うようになりました。

それから中学生の時に、国語の先生がご自分の出身高校の話をしてくれました。のびのびした公立の進学校のエピソードが当時の私には輝いて思えて、「こんな高校で3年間過ごすのって素敵だな」と憧れました。

――でも、大学までエスカレーター式の一貫校で外部の高校を受験する人はめったにいませんよね。大きな決断だったのではないですか。

外部受験すると、系列高校への推薦枠が取り消されてしまいます。受験に失敗しても戻ることはできませんから、一か八かの賭けでした。

――親御さんはさぞかし驚いたことでしょう。

ものすごくびっくりして、大反対されました。それでも、私が「どうしても挑戦したい」と引かなかったので、父が「高校受験の塾のクラス分けテストで、一番上のクラスに入れたら受験してもいい」と条件を出してくれたんです。

最初のテストではクリアできなかったのですが、そのあと必死で勉強して、2回目のテストでは無事に一番上のクラスに入ることができました。

――粘り強く頑張ったのですね。

負けず嫌いなんです(笑)。おかげで先ほど話した先生の出身校に無事に合格できました。

高校受験で培われた、チャレンジ精神

――努力して勝ち得た高校生活は、いかがでしたか。

最高に楽しかったです。みんなが自分のしたいことをして、それを誰もが認め合うような空気がありました。とても居心地がよく、毎日が楽しかったです。

思い出深いのは、高校3年の文化祭です。文化祭が盛んな高校で、高3なのにクラスみんなで劇を上演しました。それがすごく楽しかったんです。ただ私の場合、そのぶん勉強がおろそかになってしまって……。とても焦りましたが、それでも高校生ならではの青春を味わえたことは財産になりました。

――勝又さんは京大在学中に櫻坂46のオーディションに挑戦しましたが、もしかすると挑む気持ちの原点は高校受験にあったのでしょうか。

そうかもしれません。高校受験は私の人生初の挑戦で、それが成功したことは自信につながりました。自分の殻を破って新しい挑戦をしようという気持ちは、この頃に生まれたと思います。

高3の文化祭が終わった時に、友達に「勝又がいたから自分も頑張れた。ありがとう」と言ってもらったことがあって、それがとてもうれしかったんです。「自分が誰かの支えになれた」「誰かの背中を押せた」という喜びは、アイドルとして活動する私の土台になっています。

模試は自己分析のためにある

――高校で青春を満喫しながらも、京大受験にチャレンジするのは大変だったのではないですか。

模試の判定はいつもCかBで、最後の模試まで一度もA判定はもらえませんでした。「模試の判定なんて、ただの記号」とは思っていましたが、やはり不安でした。

――どうやって不安を乗り越えたのですか。

模試の結果を見直して、自己分析して、よかったところを見つけるようにしていました。前回の模試に比べて伸びているのはどこか、前回は解けなかった問題で解けるようになったのはどこかを確認して、自信にしていたんです。すると「苦手はここだ。これを潰せばいいんだ」と、受験に向けてすべきことも見えてきて前に進めました。

――自分を分析する力があるのですね。

子どもの頃、父が私たちきょうだいのテストの結果を全てファイルしてくれていました。父はそれを見ながら、「前回はここができなかったけど、今回はここが伸びている」とアドバイスしてくれました。1回の結果で単純に喜んだりがっかりしたりするのではなく、俯瞰(ふかん)して見ることを教わったと思います。

大学入試の過去問も、単に解いて丸つけするのではなく、京大ではどんな問題が出題される傾向があるのかを分析しながら解きました。私は数学が好きで比較的余裕があったので、過去5年分の出題傾向を見比べて研究しました。これが安心感につながり、成績も上がりました。

間違えた問題などをまとめたファイル(写真=勝又春さん提供)

勝又流、苦手教科の克服法

――逆に苦手だった教科は何ですか。

暗記系です。最初は一問一答の問題集を使っていましたが、全然覚えられなくて……。世界史などはまず教科書を何回も読んで、ストーリーを頭に入れるようにしました。

化学の炎色反応もなかなか覚えられなかったのですが、みそ汁が噴きこぼれるとガスの炎の色が黄色くなると聞いて、「みそにもナトリウムがあるからだ」と思ったら、覚えられました。物語や日常に結びつけると覚えやすいと気づいてからは、成績も伸びるようになったのです。

それから間違えた問題や不安がある分野は、一日の終わりにまとめノートに書いておくようにしていました。それを毎朝、毎晩1ページ目から見直すと、自然に何回も見直すことになるのでおすすめです。

間違えた問題や不安がある分野を書き出したノート(写真=勝又春さん提供)

日曜の夜、1週間分の計画を立てる

――勉強のペースはどう決めていたのでしょうか。

日曜日の夜にホットココアを飲みながら、1週間分の計画を立てていました。もともと計画性がないタイプなので、今週やるべき学習内容を洗い出し、「いつまでに何をやる」と具体的に書いて机の前に貼っておきました。

これは今でも続けている習慣で、卒論と仕事の両立には本当に役立ちました。「この週からライブのリハーサルが始まるので、卒論は今週、ここまで進める」と前もって考えられたおかげで、無事に卒業できたのだと思います。

計画を立てる際に意識していることは、理想を高くしすぎないことです。やるべきことが多すぎるとモチベーションも下がってしまうし、クリアできないと落ち込みます。ゆるっと計画を立てるのがコツです。そうすれば、目標はだいたいクリアできるので、ココアを飲みながら「私は今週も頑張った」「来週も頑張ろう!」と自分に言い聞かせるのです。

間違えた問題や不安がある分野を書き出したノート(写真=勝又春さん提供)

――勝又さんは自分の「やりたい」をやり抜く力がすごくあると感じます。

モチベーションを維持することが大事だと思います。私の場合、中学までは勉強が好きではなかったし、得意でもありませんでした。でも、行きたい高校ができたことで、本気で頑張ることができました。

大学受験も、高校2年の時に京都大学のオープンキャンパスに行き、先輩の話を聞いて「この大学に行きたい」と目標が定まりました。学部学科を決めたのも、高校の先輩たちの合格体験記の冊子がきっかけです。その中にすごく詳しく学科の話を書いている先輩がいて、私もこの学科に行きたいと思いました。

受験を控えている高校生には、先輩や卒業生の声や体験を聞いてみることをおすすめしたいです。「ここで4年間を過ごしたい」と思える大学に出合うと、自然に勉強にも力が入ると思います。

櫻坂46の勝又春さん(写真=朝日新聞社撮影)

<プロフィル>
勝又春(かつまた・はる)/2004年、京都府生まれ。25年4月にアイドルグループ櫻坂46の四期生メンバーとしてデビュー。26年3月に京都大学農学部を卒業。現在はグループ活動のほかに、クイズ番組やバラエティー番組などで活躍中。

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(文=神 素子)

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間違えた問題などをまとめたファイル(写真=勝又春提供)
間違えた問題などをまとめたファイル(写真=勝又春提供)

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