【2025年・大学10大ニュース】6位~7位 女子枠がさらに拡大

2025/12/26

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2025年、大学業界には入試方法の変更から学部学科の再編など、さまざまな新しい動きがありました。大学進学を考えるウェブメディア「朝日新聞Thinkキャンパス」の中村正史・総合監修者が、25年の大学10大ニュースを選びました。大学入試や大学教育は、どう変化しつつあるのでしょうか。【6位~7位】(写真=芝浦工業大学豊洲キャンパス)

6:女子枠がさらに拡大

日本では理工系に進む女子が少ないことが課題になっている中、総合型選抜などで「女子枠」を設ける大学が広がっています。25年度入試では、国公立で30大学、私立で36大学が女子枠を設けています。

女子枠の先駆けである芝浦工業大学は、26年度入試で女子枠の定員を前年の67人からほぼ2倍にあたる124人に増やします。同大学は18年度入試から女子枠を設け、22年度からは一般選抜を含めた成績優秀な女子入学者100人以上に入学金相当(28万円)の奨学金を給付しています。25年度の入学者は女子が27.8%を占め、過去最高を更新しました。学部生全体に占める女子の比率も、女子枠導入前である17年度の16.4%から25年度は23.7%に上昇しました。創立100周年の27年までに女子比率を30%以上にすることを目標に掲げており、女子寮や女子用休憩スペースも整備し、理工系を志す女子をサポートしています。

青山学院大学は26年度入試から理工学部で女子特別入試を導入します。物理科学科、電気電子工学科、機械創造工学科、情報テクノロジー学科で各5人を募集し、将来的には理工学部の全学科で20%以上の女性比率を達成することを目標にしています。

創価大学も26年度入試から理工学部で女子特別選抜を導入します。理工学部は26年度にグリーンテクノロジー学科、生命理工学科が新設されます。女子特別選抜の入学者に対しては、初年次に50万円の奨学金を給付したり、希望者には学生寮への入寮を優先確約したりするなど、サポート体制も充実しています。成績優秀者に50万円が4年間支給される制度や、入学後はキャリアビジョンなどについて女性の教員や大学院生に一対一で相談できるアドバイザー制度もあります。

創価大学は8月のオープンキャンパスで女子特別選抜に関するイベントを実施。理系進学を考えるたくさんの女子高校生が集まった(写真=創価大学提供)

東京理科大学も24年度入試から、工学部、創域理工学部、先進工学部で総合型選抜(女子)を導入しており、26年度に新設する創域情報学部でも実施します。

25年度入試でシステム理工学部に女子特別入試を導入した関西大学は、26年度は環境都市工学部にも広げます。また26年度にシステム理工学部に新設するグリーンエレクトロニクス工学科でも女子特別入試を実施します。

国立大学では、東京科学大学(東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して24年10月に設立)が24年度入試から女子枠を導入し、25年度の理工学系の入試では一般選抜を含めた募集定員(1068人)の約14%に相当する149人まで女子枠を拡大しました。

26年度入試では、京都大学の理学部と工学部、大阪大学の基礎工学部も女子枠を設けます。九州大学の工学部は27年度入試から4学科で女子枠を設ける予定です。

女子枠に対しては、大学関係者の中に否定的な意見もありますが、芝浦工業大学のように「女子を積極的に受け入れる大学」というイメージが定着した成功例を見て、導入する大学はさらに増えると思われます。


7:共通テストの志願者数が初めて増加

25年の共通テストの志願者数は49万5171人で前年より約3300人増え、共通テストの導入以来、初めて前年を上回りました。21年から導入された共通テストは、それまでのセンター試験と問題内容が大きく変わったことから、私立専願者を中心に志願者が減少し、「共通テスト離れ」が指摘されてきました。センター試験の最後となった20年の志願者数は55万7699人でしたが、24年には50万人の大台を割りました。センター試験時代を含めて、志願者数が前年より増えたのは7年ぶりです。

志願者数が増えたのは、18歳人口が前年より増えたのが大きな理由とみられていますが、共通テストが5年目を迎えて問題内容や形式が落ち着いてきたことや、難関・中堅大学を中心に共通テストを利用する私立大学が広がっていることなどが、背景にあります。

25年の共通テストは高校の新教育課程に対応した初年度の試験で、「情報Ⅰ」などの新科目が加わりました。26年の共通テストの志願者数も、25年度を1000人余り上回り、49万6237人になりました。現役生は約5700人減ったものの、既卒者(浪人生)が25年度より約6300人と大幅に増えているのが特徴です。今回から受験生本人のウェブ出願に変わりましたが、大きな混乱はありませんでした。

(写真=共通テストの英語リスニング開始前、2025年1月18日、東京都文京区、朝日新聞社撮影)

私立大学では難関・中堅大学を中心に、国公立大学との併願者を増やすため、共通テストを利用した多教科型の入試を導入するところが目立っています。

芝浦工業大学は26年度入試で共通テスト利用方式を2つに分け、私立専願型の3教科4科目と国立併願型の6教科8科目方式にしました。

東京理科大学は26年度入試で従来の全学統一入試を大きく変え、共通テスト利用を拡大します。最大で6学科まで出願できるA方式では、4教科型、3教科型、2教科+英語資格検定を実施します。

成蹊大学には、文系学部で行っている「国公立併願アシスト入試」があり、共通テスト5科目と独自試験(英語[文学部日本文学科は国語])の合計点で判定します。理工学部では共通テストの4教科6科目で判定するS方式があり、入学者全員に1年次の授業料の半額相当の奨学金を支給します。いずれも共通テスト後に出願でき、入学手続きの締め切りは国公立大学(前期)の合格発表後の3月11日にしています。

近畿大学は25年度入試で、近年合格者が増加傾向である共通テスト利用方式に新たな多科目型を導入し、共通テスト利用方式(前期)では医学部を除いて5教科以上の多科目型を導入しました。「今後も共通テスト利用方式からの入学者を獲得していきたい」と大学側は話しています。

共通テストと独自試験を組み合わせて一般選抜を行う大学もあります。早稲田大学は政治経済学部が21年度入試から共通テストの数学Ⅰ・Aを課し、日英両言語の長文を読ませる独自問題を導入したのを皮切りに、共通テスト+独自試験方式は教育学部、国際教養学部などに広がり、25年度入試では社会科学部と人間科学部が新たに加わりました。

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