教育ローンの金利はどこが一番安い? 主要銀行の比較と、契約前に必ずチェックすべきポイント

2025/11/22

大学進学には年間100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。その費用をまかなうための選択肢は、国の教育ローンから民間銀行、全国の労働金庫(ろうきん)までさまざまありますが、それぞれ金利や審査条件は異なります。この記事では、キャリアコンサルタントとして2000件以上の進路相談に応じてきた経験から、各教育ローンの特徴と選び方を解説します。

1:教育ローンとは? 仕組みと奨学金との違い

教育資金を準備する際、まず選択肢に浮かび上がるのが奨学金と教育ローンでしょう。教育ローンは、学生本人が借りる奨学金とは契約者や返済義務者が保護者である点で異なります。ここでは両者の仕組みと違いを正しく理解し、家庭の状況にあう資金計画の基礎知識を解説します。

(1)教育ローンは保護者が借り入れ教育費をまかなう目的のローン

教育ローンとは、子どもの教育にかかる費用をまかなうために保護者が契約者となって金融機関から借り入れを行う目的別ローンのことです。あくまで「親が借りて親が返す」というのが基本であり、学生本人が卒業後に返済義務を負う奨学金とは根本的に性質が異なります。

この教育ローンの特徴は、契約者である保護者の返済能力が審査される点です。そのため、審査が通れば子どもが進学する前、入学金の納付が必要な時期にまとまった資金を準備できます。利用目的も、大学や短期大学、専門学校の授業料だけでなく、教材費や一人暮らしのためのアパートの敷金・礼金、パソコン購入費といった教育に関連する幅広い費用に充当可能です。教育ローンは、子どもの多様な進路を経済面から支えるための、一つの選択肢といえます。

(2)教育ローンの種類

教育ローンには、国の教育ローン・銀行の教育ローン・労働金庫(ろうきん)などの種類があります。これらは金利の仕組みや審査基準、融資までのスピードにも違いがあり、どれを選ぶかによって返済総額が変わることもあります。

ここでは、それぞれの教育ローンの特徴やメリット・デメリットを解説します。

国の教育ローン
まず検討したいのが「国の教育ローン」です。これは、日本政策金融公庫が取り扱う公的な融資制度で、正式名称を「教育一般貸付」といいます。民間の金融機関と比べてセーフティネットとしての役割が大きく、さまざまな家庭の状況に配慮されているのが特徴です。

具体的には、利用にあたって世帯年収の上限が定められています。例えば、扶養する子どもが1人の場合、世帯年収の上限は790万円(所得では600万円)以内です。この上限額は、子どもの人数が増えるごとに緩和されます。金利は変動しない固定金利で、返済計画が立てやすいという安心感があります。保証については、連帯保証人を立てるか、公益財団法人教育資金融資保証基金の保証を利用するかを選択できます。

借入限度額は、学生・生徒一人につき原則350万円以内(自宅外通学や特定の要件を満たす場合は450万円以内)と、まとまった資金を準備することが可能です。返済期間は最長20年と長く設定されており、無理のない返済計画を立てやすくなっています。2025年9月現在の金利は年3.15%(固定)ですが、母子・父子家庭や世帯年収200万円(所得132万円)以内の人などには、金利が引き下げられる優遇制度もあります。

最大のメリットは、この低く安定した固定金利と全国どこに住んでいても同じ条件で利用できる公平性です。一方で、申し込みから融資実行までに20日程度、場合によってはそれ以上かかることもあり、急ぎの資金需要には向かない点がデメリットとしてあげられます。また、前述の通り年収制限があるため、すべての家庭が利用できるわけではありません。大学受験が本格化する秋ごろから申し込みが集中するため、利用を検討する場合は早めに準備を始めることが大切です(参照:ご利用条件や金利・ご返済方法|日本政策金融公庫)。

銀行の教育ローン
銀行の教育ローンは、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行などの都市銀行をはじめ、地方銀行やネット銀行でも取り扱われています。民間のため金利は変動金利型が中心で、申込から審査・融資までのスピードが速く、早ければ数日で融資が可能です。多くの銀行がネットから24時間申し込み可能であり、郵送や来店を不要とするケースも増えています。

金利帯は銀行や条件によりますが、一般的には年0.9〜4.8%程度で、保証会社を利用して保証料を金利に上乗せする形が多い傾向です。保証人が不要となる一方で、その分保証料込みの実質金利の確認が必要です。

メリットとしては、低金利プランを条件付きで選べること、審査・融資が迅速で急な教育費にも対応しやすいこと、ネット完結で手続きが簡単なことが挙げられます。デメリットは、変動金利の場合は返済期間中に金利上昇リスクがあること、適用金利が条件(給与振込口座設定やカード契約など)によって左右されること、融資限度額や利用期間が銀行ごとに大きく異なることです。公共性の高い国の教育ローンと比べると、条件や金利変動を慎重に見極める必要があります。

労働金庫(ろうきん)
労働金庫(ろうきん)は、労働組合や生活協同組合の組合員を主な対象とした非営利の金融機関です。教育ローンの金利は年0.9%から3.8%程度と比較的低く設定されており、組合員であればさらに優遇金利が適用されます。非組合員でも利用可能ですが、出資金の預け入れが必要になる場合があります。審査基準も柔軟で、非正規雇用や母子家庭の場合でも相談に乗ってもらえる可能性があります。地域によって商品内容が異なるため、お住まいの地域のろうきんに直接問い合わせることをおすすめします(参照:ろうきんのローン|全国労働金庫協会)。

信用金庫
信用金庫は地域密着型の金融機関で、営業エリア内に居住または勤務している人が対象です。金利は年2.0%から3.0%程度で、取引実績や給与振込口座の利用状況に応じて優遇が受けられます。大手銀行よりも融通が利きやすく、担当者が顔の見える関係で相談に乗ってくれる安心感があります。特に地元企業に勤めている場合、信用金庫との取引があれば審査面で有利になることもあります。

ゆうちょ銀行の教育ローン
ゆうちょ銀行は直接の教育ローン商品は持たず、提携する民間銀行や金融機関のローン申し込み窓口として機能します。全国どこでも相談できる利便性に加え、郵便局を介して地域利用者がアクセスしやすい点が特徴です。ただし、金利や条件は提携先金融機関の規定に基づくため、事前確認が必要です。

このように、全国的な知名度は高くなくても、住まいの地域や自身の勤務形態に目を向けることで、より有利な条件の教育ローンが見つかることがあります。「灯台下暗し」という言葉があるように、まずは身近な金融機関の窓口で相談してみることも、後悔しないローン選びの第一歩です。

2:教育ローンはどこがいい? 主な銀行の教育ローンを比較

金融機関 金利 融資金額 融資期間
三菱UFJ銀行 変動(4.475%) 30〜500万円 6カ月〜10年
三井住友銀行(SMBC) 変動(3.375%) 10〜300万円 1年〜10年
みずほ銀行 変動(3.875%)
固定(5.50%)
10〜300万円 6カ月〜10年
りそな銀行 変動(2.875〜4.875%) 10〜1000万円 最長14年
イオン銀行 変動(3.30〜4.30%) 10〜500万円 最長15年
JAバンク 各JAによって異なる 10〜1000万円 最長15年
教育ローンの比較(編集部作成)

教育ローンは提供する金融機関によって、金利や審査スピード、借入限度額などが異なります。ここでは代表的な金融機関の教育ローンを取り上げ、それぞれの特徴を整理します。

(1)三菱UFJ銀行 

三菱UFJ銀行の教育ローンは、高額な特定分野の学費への対応と手続きの簡便さが強みです。Webで申し込みから契約まで可能で、手続きの手間を軽減できます(参照:ネットDE教育ローン|三菱UFJ銀行)。

【金利】
変動金利が適用されます。金利には保証料・事務手数料が含まれており、金利は申し込み時ではなく、借り入れ時点の月の金利が適用されます。

【メリット・デメリット】
メリットは、利便性の高いWeb完結型の手続きと、塾・専門学校の入学金・授業料にも幅広く利利用できる柔軟性です。在学中の利息のみ返済は家計の負担を抑えられます。デメリットとしては、変動金利であるため将来的な金利上昇のリスクがあることがあげられます。

【融資金額・期間】
融資金額は30万円~500万円(医歯薬系、航空パイロット養成などは1000万円)、期間は6カ月~10年(医歯薬系、航空パイロット養成などは16年)です。

(2)三井住友銀行

三井住友銀行の教育ローンは、保証人・担保不要で手続きが簡単な点が特徴です。Webからの申し込みであれば、最短で当日に審査結果が通知される場合があり、急ぎで資金が必要な場合に有力な選択肢となります。手続きもWebで完結するため、来店不要で利用できる手軽さも魅力です(参照:教育ローン|三井住友銀行(SMBC))。

【金利】
変動金利が適用されます。適用金利は年3.375%(概算)新規借入金利は短期プライムレートに連動する長期貸出金利を基準に決定され、年2回(4月1日、10月1日を基準に)見直しが行われます。

【メリット・デメリット】
メリットはWebやローン契約機から24時間申し込みが可能であること、保証会社(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)の保証を利用するため、担保・保証人は原則不要であることがあげられます。デメリットは他行に比べて借入限度額が低い点、繰り上げ返済(一部・全額とも)には手数料5500円(消費税込)がかかり、手続きは電話と郵送による書面でのみ可能(インターネットやローン契約機では不可)な点です。

【融資金額・期間】
融資金額は10万円~300万円、期間は1年~10年です。

(3)みずほ銀行

みずほ銀行の教育ローンは、利用者の属性や用途の広さが特徴です。子どもの教育資金だけでなく、社会人自身がスキルアップや生涯学習のために通う大学院、専門学校、語学学校、プログラミングスクールなどの費用にも活用できます。入学金、授業料に加えて、制服や学習用品、自宅外通学の敷金・礼金、家具・家電の購入、海外留学資金など、幅広い用途に対応しています(参照:教育ローン|みずほ銀行)。

【金利】
変動金利方式と固定金利方式のいずれかを選ぶことができ、返済計画にあわせた選択が可能です。過去に証書貸し付けローンを利用した人は、年0.1%の金利引き下げを受けられます。

【メリット・デメリット】
メリットは前述したように用途が非常に幅広い点です。さらに元金返済据置期間が長めで、就学期間中(最長4年)に卒業後1年を加えた最長5年間、元金返済据置が可能です。デメリットは申込条件がやや厳しめで勤続(営業)年数が2年以上必要です。

【融資金額・期間】
融資金額は10万円以上300万円以内(1万円単位)で、融資期間は6カ月以上10年以内(1カ月単位) 最長5年(1カ月単位)です。

(4)りそな銀行

りそな銀行の教育ローンは資金計画の自由度が特徴で、資金使途の柔軟性が極めて高い点がおすすめのポイントです。授業料だけでなく、部活動の道具代や遠征費、受験料や宿泊費などの受験費用、アパートの敷金・礼金など、教育関連であれば幅広い用途に活用できます(参照:教育ローン|りそな銀行)。

【金利】
変動金利方式です。年2.875%~4.875%の範囲で審査により決定されます(2025年7月15日現在)。りそなの住宅ローン契約者は、金利が優遇されます。

【メリット・デメリット】
メリットは借り方の選択肢が豊富な点です。資金を一括で借りる証書貸し付けタイプ、必要な時に必要な分だけ借りる当座貸越タイプ(借入回数制限なし)、社会人向けの自己啓発プランなど複数の借入形態を選択できます。また、世帯収入の上限設定がない点もあげられます。デメリットは金利に幅があり、審査によって決定される点です。証書貸し付けタイプで団体信用生命保険に加入する場合、金利が年0.3%上乗せになります。

【融資金額・期間】
融資金額は10万円以上1000万円以下です。パイロット養成のための就学費用は、証書貸し付けタイプで2000万円以内が借入可能です。自己啓発プランは300万円までになります。融資期間は最長14年で据置期間は最長4年9カ月以内です。パイロット養成費用の場合は最長20年以内に設定されており、当座貸越・証書貸し付けタイプでのみ、在学中は利息のみの支払い(据置期間)が可能です。

(5)イオン銀行

イオン銀行の教育ローンは特定の利用者への明確な金利優遇が特徴で、申込のしやすさと据置期間の長さが魅力です。最低年収要件が比較的低く、前年度税込年収が150万円以上であれば申し込みが可能です(参照:教育ローン|イオン銀行)。

【金利】
変動金利方式です。無担保ローン基準金利に1.5%が上乗せされます。イオン銀行のカードローンの契約者は、年1.0%の金利優遇を受けられます。

【メリット・デメリット】
メリットは最低年収要件が他行に比べて低い点です。前年度税込年収が150万円以上であれば申し込みが可能で、さらに最短での学校卒業時期まで、最長6年の元金返済据置ができます。イオン銀行のカードローン契約者であれば、年1.0%という非常に大きな金利引き下げが適用されます。

デメリットは金利加算のリスクがあげられます。融資実行翌月末までに納付証明書類を提出しない場合、または借入金額が納付金額に満たない場合、金利が年5.0%加算され、優遇が解除されます。さらに使途が限定的で、家賃、生活資金、給食費など、月々の支払いや一括で支払えない資金は対象外です。

【融資金額・期間】
融資金額は10万円以上500万円以下(1万円単位)です。期間は15年以内、最長6年(最短での学校卒業時期まで)の元金返済の据置が可能です。

(6)JAバンク

JAバンクの教育ローンは生活に密着した幅広い使途と、もしもの時の備えが特徴です。JAバンクの強みは、高額な固定費と変動費を一つのローンでカバーできる「オールインワン」型の対応力です。1000万円という高い上限額で入学金や授業料といった大きな支出に対応しつつ、カード型で教科書代や生活費といった細かな変動費にも柔軟に対応できます(参照:教育ローン|JAバンク)。

【金利】
固定金利型 または 変動金利型を選べます。金利などの融資条件は各JAによって異なります。

【メリット・デメリット】
メリットは資金使途が幅広い点です。入学金や授業料だけでなく、アパート家賃などの住居費も含めた教育に関するさまざまな資金をサポートします。さらに、全国のJAバンクATMから必要に応じてその都度借り入れできる教育ローン(カード型)も用意されています。また、9大疾病により所定の条件に該当した場合にローン残高が0円になる補償付き教育ローン(極度型を除く)が用意されており、万が一の事態に備えられます。

デメリットは地域によって条件が異なる点です。金利や融資条件(年収、勤続年数、金額、期間など)が各JAによって異なるため、統一的な情報が得られにくいことがあげられます。

【融資金額・期間】
融資金額は10万円以上1000万円以内です。この金額は各JAによって異なる可能性があります。期間は、据置期間を含め最長15年以内で、据置期間の利用により卒業後からの返済も可能です。

3:教育ローンを借りる前に知っておきたい注意点

教育ローンを検討する際、目先の情報だけでなく借り入れ後の見通しをしっかり立てることが何よりも大切です。ここでは、金利の違いが返済に与える影響や、変動金利のリスク、保証の重要性など後悔のない選択のために知っておくべき注意点を解説します。

(1)金利の違いで返済総額はどれくらい変わるか把握しておこう

教育ローンは借入金額と返済期間に加え、金利が返済総額に影響します。例えば、200万円を10年間で返済する場合、金利が0.5%違うだけで返済総額は約5万円以上変わることがあります。

年利3.0%で返済した場合の総返済額が約231万7440円であるのに対し、年利3.5%だと約237万3240円となり、利息の差は約5万5800円におよびます。これは返済期間が長くなるほど利息の総額も膨らむため、返済期間が長いローンほど金利差の影響は大きくなるという特徴を示しています(参照:教育ローン返済額シミュレーション|三菱UFJ銀行)。

(2)返済負担を軽減するなら繰上返済やボーナス併用返済も検討しよう

教育ローンの借り入れを決めたら、次に考えるべきは「いかに無理なく、そして総返済額を抑えて返済していくか」です。少しでも返済負担を軽減するために、積極的に活用したいのが「繰上返済」や「ボーナス併用返済」といった方法です。これらをかしこく利用することで、家計の負担を軽減し、より計画的な返済が可能になります。

繰り上げ返済は、返済期間の前倒しとして借入残高の一部または全額を予定より早く返すことです。これにより、将来支払う利息を大幅に減らせる効果があります。例えば、10年返済の教育ローンで100万円を繰り上げ返済で一括返済した場合、返済期間が数年短縮され、結果的に数万円から十数万円の利息負担減が期待できます。

繰り上げ返済後は返済期間短縮型と返済額軽減型が選べる場合が多く、前者は返済期間を短くし、後者は毎月の返済額を減らす効果があります。繰り上げ返済は返済開始後いつでもできることが多いですが、金融機関によっては手数料がかかる場合もあるため確認が必要です。ネットバンキングから手数料無料でできるケースも増えています。

ボーナス併用返済は、毎月の返済に加えてボーナス月にまとまった返済額を上乗せする方法です。ボーナス併用返済は毎月の負担を抑えられる一方、収入変動がある家庭では不安定さがリスクになります。例えば、月2万円+年2回ボーナス時10万円の返済方法を選ぶと、普段の支出を抑えやすくなりますが、ボーナスが減った場合には家計を圧迫します。安定したボーナス収入がある家庭向けの方法といえるでしょう。

(3)審査に落ちる場合は年収・勤続年数・借入状況を見直そう

教育ローンの審査では、安定した返済能力が最重要視されます。具体的には、年収・勤続年数・既存の借入額が審査対象です。一般的に勤続3年以上、年収200万円以上が一つの目安とされます。ローンやカードの返済延滞など信用情報の記録も重視され、複数のローンを抱えている場合は不利になります。

また、民間金融機関では高収入ほど有利ですが、国の教育ローンの場合、子どもの数に応じて年収上限が設定されており、子ども1人なら790万円未満、2人なら890万円未満が目安です。公的制度を併用すれば、審査の通りやすさや金利面での有利さを得ることも可能です。

(4)返済計画を立てるなら家計全体でシミュレーションしよう

教育ローンの返済は、住宅ローン・生活費・老後資金と並行して考えることが重要です。毎月の教育ローン返済額を手取り月収の10%以内にとどめると無理のない設計がしやすいとされます。例えば、国の教育ローンで200万円を年利3.15%、10年返済した場合、毎月の返済は1万9600円となり、共働き世帯ならその負担を2人で分担すると現実的です(参照:ご利用条件や金利・ご返済方法|日本政策金融公庫)。

(5)固定金利と変動金利、どちらを選ぶべきか検討しよう

固定金利は借入時の金利が最後まで変わらないため、返済総額が明確で家計管理がしやすいのが特徴です。一方、変動金利は初期金利が低く総返済額を抑えられる可能性がありますが、金利上昇時には返済額が増えるリスクがあります。

短期間での借入や景気が安定している時期には変動金利が有利ですが、長期での借入や家計の安定を重視したい家庭には固定金利が適しています。特に教育ローンは10年以上におよぶケースが多いため、今後の収入変動に備えたい家庭では固定金利を選ぶのが現実的でしょう。

4:教育ローンだけに頼らない! 奨学金・給付金との上手な組み合わせ

大学入学前後の費用をまかなう方法として、教育ローンのほかにも奨学金や給付金制度があります。それぞれの特徴を理解し、家庭の状況に合わせて上手に組み合わせることが、無理のない進学費用計画の鍵です。

(1)奨学金との比較や併用を検討しよう

教育資金を確保するうえで、教育ローンだけでなく奨学金の活用も重要です。奨学金には、日本学生支援機構(JASSO)の「貸与型」と「給付型」、そして大学独自の支援制度があります。

貸与型には無利子の「第一種」と有利子の「第二種」があり、第一種は学業成績が優秀で家計基準が厳しいのに対し、第二種はより広い世帯が対象です。第一種の貸与月額は2〜6万円、第二種は3〜12万円のなかから選択でき、卒業の翌年から返還が始まります。

給付型は返還不要で、家計に余裕がない学生に大きな支えとなります。給付型と貸与型を同時に利用することも可能で、教育ローンとも併用できます。ただし、教育ローンは親名義で契約し返済も親が行う一方、奨学金は学生本人が受給・返還するため、「誰が借り、いつ返すか」を整理しておくことが大切です(参照:貸与奨学金〈返済必要〉|日本学生支援機構)。

(2)給付金・授業料減免制度で負担を軽くしよう

返さなくてよい支援として注目を集めているのが、「高等教育の修学支援新制度」です。この制度は2020年に始まり、2025年度からは多子世帯への支援が拡充されています。

対象は一定の収入基準を満たす大学・短大・専門学校の学生で、世帯年収が約380万円未満程度(4人世帯の場合)が基本の目安です。支援内容は「給付型奨学金の支給」と「授業料・入学金の免除または減額」がセットになっており、国公立大学なら年間授業料約54万円、私立でも最大約70万円が支援されます。

この制度はJASSOによる給付奨学金と完全に連携しており、併用することで実質無償で大学に通える場合もあります。世帯構成によっては所得制限が撤廃されるケースもあり、特に子ども3人以上の家庭では所得にかかわらず授業料が減免となります。

こうした「返さなくていい支援」をかしこく活用することで、教育ローンの借入額を最小限に抑え、将来の返済ストレスを減らすことができます。利用を検討する際は、進学予定校の制度や自治体の支援もあわせて確認し、家庭の条件にあった支援策を組み合わせるのが理想的です(参照:高等教育の修学支援新制度|文部科学省)。

5:子どもの未来をひらく、かしこい教育資金計画のために

教育資金の準備は、決して「どれか一つの方法を選ぶ」という単純なものではありません。国の教育ローンや民間金融機関の教育ローン、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金、大学独自の奨学金、そして高等教育の修学支援新制度による給付金や授業料減免など、多岐にわたる選択肢があります。重要なのは、これらの各制度の特性を深く理解し、自身の家庭の状況や子どもの進路にあわせて、負担の少ない最適な組み合わせを見つけることです。

教育ローンを検討する際には、わずかな金利差であっても、長期的な返済総額に大きな影響を与えることを忘れてはなりません。金利比較の重要性を認識し、繰上返済やボーナス併用返済といった負担軽減策も視野に入れながら、実現可能な返済計画を立てることが不可欠です。

そして、教育資金の準備で役立つ味方となるのは正確な情報です。多様な制度の中から最適なものを選ぶためには、各制度の最新情報を積極的に収集することが欠かせません。Webサイトでの情報収集はもちろん、金融機関の窓口や進学先の学校の相談窓口などを活用し、疑問点はその都度解消していきましょう。

そして、最終的にどのような選択をするにしても、子どもを含めた家族全員で十分に話しあうことが何よりも大切です。将来の返済負担や、それに伴うライフプランへの影響などをオープンに共有することで、家族一丸となって子どもの夢を応援する体制を築くことができます。

武田さゆり

武田さゆり
私立高校国語科非常勤講師。金融機関勤務、育児期間を経て2006年より現職。NPO法人xTReeE理事。国家資格キャリアコンサルタント。全国の小中学校へキャリア教育の授業を開発、実践中。NPO法人は2024年度経済産業省キャリア教育アワードで奨励賞を受賞。

(編集協力 スタジオユリグラフ・村上香純)

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