■オープンキャンパスに行こう!

大学の雰囲気や魅力をたっぷり味わえる、オープンキャンパス。おすすめ研究室の見学を案内してくれるコンシェルジュがいたり、ユニークな模擬講義を受けられたりと、新しい形が増えています。実際にはどんなことができるのでしょうか。関西大学を事例にしながら、目的ごとの定番プログラム「オープンキャンパスでやるべき5選」を紹介します。(写真=関西大学提供)

 目次

1.「全体を知る」
・大学説明会
・キャンパスツアー
2.「入試を知る」
・入試説明会
・模擬面接
・入試対策講座
3.「学びに触れる」
・学部紹介
・模擬講義
・研究室・実験室見学
4.「疑問を解決する」
・個別相談コーナー
・学生への質問コーナー
・資料配布コーナー

1.「全体を知る」

オープンキャンパス当日は、自宅から大学までの電車の乗り換えや、最寄り駅から大学までの道のりなど通学経路の確認から始めます。現地に着いたら、まずは大学の特徴をざっくりつかめる大学説明会に参加するのがおすすめです。申し込み制、抽選制のプログラムもあるので、必ず事前に確認しましょう。

■大学説明会
設立の背景や学部構成、卒業後の進路など、大学の特徴を幅広く紹介するプログラムです。

■キャンパスツアー
学生などがガイドを務め、校舎や構内の主な施設を見て回ります。歩きやすい靴で参加しましょう。

関西大学千里山キャンパスで2023年8月5、6日に開催された「サマーキャンパス」には、約2万4000人の受験生や保護者が来場しました。

「大学説明会『40分でわかる関西大学』では、学部構成、カリキュラム、キャンパスごとの特徴など、関西大学をさまざまな視点から紹介します。オープンキャンパスの入門編として作ったプログラムなので、初めて本学を訪れる保護者の方に特におすすめです」(入試センターの岩崎波留奈さん)

「『キャンパスツアー』『キャンパスライフ紹介』など、学生が大学のリアルを語るプログラムは、毎回人気が高いですね。オープンキャンパス後に行うアンケートでも、これらのプログラムを通じて本学や本学の学生の魅力が伝わったというコメントをたくさんいただきます」(同・古橋勇希さん)

キャンパスツアーでは研修を受けた学生スタッフが約30分で構内を案内する(写真=関西大学提供)

近年は、ユニークなキャンパス見学プログラムも増えています。東海大学湘南キャンパスが23年のオープンキャンパスで行った「キャンパス内周遊リアルナゾ解きゲーム」は、校舎や体育館に隠されたヒントを頼りに東海大学に関する問題を解き、キャンパスを一周するというものでした。同志社女子大学や和洋女子大学では、キャンパス内のポイントを回ってスタンプを集める「スタンプラリー」を実施しました。

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2.「入試を知る」

総合型選抜や学校推薦型選抜、一般選抜の共通テスト利用など、入試方式は年々複雑になっています。各方式の出願要件や日程など、入試の概要を押さえましょう。

■入試説明会
入試方式や日程、定員など、入試に関する情報を重点的に説明するプログラムです。

■模擬面接
オープンキャンパスでは、総合型選抜や学校推薦型選抜の志望者などを対象に模擬面接を行うところもあります。面接後は受け答えのポイントについてアドバイスをもらえるので、希望者は早めに予約しましょう。

■入試対策講座
入試問題の傾向と対策の解説講座も、定番プログラムの一つです。講義は、受験予備校の講師が担当する場合もあります。

関西大学千里山キャンパスでは、一般選抜や共通テスト利用入試を中心に解説する「入試説明」、総合型選抜(AO入試)の受験者にターゲットを絞った「AO入試説明+パネルディスカッション」を開催しました。
「本学のオープンキャンパスでは、前年度の入試問題も資料として配布しているので、一般選抜の受験勉強に役立ててください」(岩崎さん)

「入試説明会」は、親子での参加も多い(写真=関西大学提供)

大妻女子大学が23年に行ったオープンキャンパスでは、一般選抜対策として国語と英語の講座を行ったほか、総合型選抜や学校推薦型選抜の志望者向けに「入試面接・小論文対策講座」を開講しました。

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3.「学びに触れる」

学部の構成や専攻は、大学ごとに異なります。自分の興味のある分野と進学した大学のミスマッチを防ぐためにも、複数の学部のプログラムに参加してみましょう。

■学部紹介
学部全体の構成や特徴を横断的に解説するものと、学部ごとに行われるものがあります。文理選択や学部選択で迷っている人は、両方に参加しましょう。

■模擬講義
実際の形式に近い講義を体験できます。学部によっては、実技を伴う体験型の講義が行われることもあります。

■研究室・実験室見学
普段は公開されていない施設、実験設備なども、多くが見学可能です。研究室の中には、展示や研究発表を行っているところもあります。

オープンキャンパスで開催される模擬講義の多くは、高校生が興味を持ちやすいユニークなテーマを取り上げています。関西大学で行われた文学部国語国文学専修の模擬講義「新海誠監督作品『君の名は。』と古典文学」は、立ち見が出るほどの大盛況でした。

「全学部の志望者が対象の模擬講義もあります。23年は、大学で必要なライティング技術を講義とワーク形式で紹介する『論理的な小論文の書き方を学ぼう!』を初めて開催しました」(古橋さん)

社会学部で行われた模擬講義の様子(写真=関西大学提供)

理系志望の受験生にとっては、専門性の高いテーマや先進的な分野を扱う研究室の見学も大きな見どころです。東北大学工学部機械知能・航空工学科の23年のオープンキャンパスでは、どの研究室を見ればいいかわからない参加者のために、興味のある分野やキーワードからおすすめの見学プランを提案する「コンシェルジュコーナー」を設置しました。

大学によっては、実験設備などを使った体験学習に参加するチャンスもあります。東京農業大学の23年のオープンキャンパスでは、食品加工施設でのジャム作り体験や、最先端の電子顕微鏡を操作できる体験実習を行いました。

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4.「疑問を解決する」

大学説明会ではわからなかったことや、大人数の説明会では聞きづらいことを質問できる「個別相談コーナー」は、親子での参加がおすすめです。事前申し込み制の場合、1人当たりの相談時間に制限が設けられている場合があります。

■個別相談コーナー
進学に関する全般的な質問を受け付けるコーナーや、奨学金、留学、入学後の住まいなど内容別のコーナー、学部・学科ごとのコーナーなどがあります。

■学生への質問コーナー
学生から直接、話を聞けるコーナーです。入学後の勉強やサークル活動、アルバイトなどの話なども聞いてみましょう。

■資料配布コーナー
大学や入試に関する資料から必要なものを選び、持ち帰ることができます。A4サイズが入る丈夫なエコバッグなどを持参しましょう。

関西大学千里山キャンパスでは、入試、留学・国際学生寮など、内容ごとに個別相談のコーナーと、全13学部の教員に質問できる個別相談コーナーや、理工系学部では、学科ごとに展示コーナーを設けました。

教員や職員が直接対応する「個別相談コーナー」(写真=関西大学提供)

「『学部別相談コーナー』は、理工系以外の複数の学部が同じホール内で相談を受け付けているので、経済学部のブースで個別相談を受けた受験生に『隣の商学部でも話を聞いてみたら』とすすめることもあります。個別相談コーナーは学生や保護者の疑問を受け付けるための場なので、遠慮せず何でも聞いてください」(岩崎さん)

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5.「オーキャンを楽しもう」

大学入学後は、クラブ活動やサークル活動を楽しみにしている人もいるでしょう。

「サマーキャンパスでも、応援団の演舞・演奏や、アカペラサークル、大会での優勝経験もあるダブルダッチサークルなどがパフォーマンスを行いました。年度によっては、6月のオープンキャンパスで他大学との交流戦が行われるので、サッカーやアメリカンフットボール、バスケットボールなどスポーツに興味がある人は、ぜひ見に来てください」(入試センターの栗栖昇己さん)

来場者に配られる大学のオリジナルグッズも、オープンキャンパスのお楽しみの一つです。関西大学でも、オリジナルデザインの不織布バッグや大学のロゴ入り文具などの記念品を配布しています。

「来場者に受付で配布する関大オリジナルの不織布バッグは、デザインを年度ごとに変えています。資料の持ち帰りに使っていただけたらと思っています。また、アンケートに協力してくださった来場者には、大学ロゴ入りの文具をお渡ししています」(栗栖さん)

大学ロゴ入りグッズ(写真=関西大学提供)

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実際に大学を訪れて見たこと、感じたことは、深く印象に残るものです。志望校がなかなか決まらない人、大学で何を学びたいかがわからない人にとっても、オープンキャンパスでの体験は、入試に向けて気持ちを一歩前に進める良いきっかけになるでしょう。

(文=木下昌子)

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