オープンキャンパスに参加、レポート提出で合格も 「体験型入試」その狙いは?

2023/06/25

■特集:はじめてのオープンキャンパス

大学の説明会であるオープンキャンパスへの参加を、総合型選抜の出願条件にする「オープンキャンパス体験型入試」を実施する大学が増えています。どのような選抜方法なのでしょうか。(写真=帝塚山学院大学提供)

オープンキャンパスを体験 レポートにまとめて出願

帝塚山学院大学では4種類の総合型選抜(AO入試)を実施していますが、そのひとつが「オープンキャンパス体験型」です。実際にオープンキャンパスに足を運び、体験講義を受けて、その内容をレポートにまとめます。オープンキャンパスは、5月から9月まで計6回、ウェブ上で2回開催され、いずれかを選んで参加します。

オープンキャンパスでは、40分の体験講義を受けます。「K-POPアイドルから見る韓国の若者像」「子どもの名前とジェンダー」「アンチエイジングの科学」など、テーマは高校生が興味を持って参加できるように設定されています。参加後、600字から800字程度のレポートをまとめます。9月に出願し、10月に試験が行われます。

「オープンキャンパス体験型」を実施する意図について、帝塚山学院大学アドミッションセンター主査の髙宮大輔さんは次のように話します。

「本学はワンキャンパスに3学部4学科を設置しており、学生間はもちろん教職員との交流も多く生まれる大学です。このようなキャンパスの雰囲気や、また大学での学びを事前によく知ってもらいたいという狙いがあります。同じ名前の学部でも、大学によって学ぶ内容が異なる場合があります。事前によく理解していれば、入学後のギャップを防ぐことができます」

また、「オープンキャンパス体験型」に出願する受験生へは、次のようにアドバイスします。

「まず押さえてほしいのは、大学の特徴やポイントを理解することです。これらは大学ガイダンスや学部の説明などで、自分は何を学びたいのかを見直すことができます。オープンキャンパスへの参加は1回でもかまいませんが、可能であれば2回以上来校し、自分が受験する学科の講義を複数回聴講すると、より一層、理解を深めることができるでしょう。なかには全日程参加する熱心な受験生もいます」

 

リベラルアーツ学科のガイダンス(写真=帝塚山学院大学提供)

受験生にとっては入試に直結したオープンキャンパスではありますが、学生との触れ合いも楽しみのひとつです。

同大学では、学生キャストがオープンキャンパスの受付や誘導、案内などを担当しています。学生によるトークライブ、キャンパスツアーなど、高校生が楽しめるイベントも開催しています。オープンキャンパスに参加した高校生が、優しくしてくれた先輩にあこがれ、入学したあとにキャストとして活躍するというサイクルも生まれています。先輩たちの姿から「将来の自分」を思い描くことで、志望への熱量も高まりそうです。

オープンキャンパスの企画・運営を行う学生キャスト(写真=帝塚山学院大学提供)

オープンキャンパス体験型入試を導入する大学は増えており、京都美術工芸大学、羽衣国際大学、静岡産業大学、平安女学院大学、東大阪大学などでも実施しています。講義を聴講してレポートを書き、面接に臨むという流れが一般的です。

たとえば京都美術工芸大学では、オープンキャンパスに参加し、学部別ガイダンスやワークショップなど3つのプログラムから2つ以上、受講(体験)することで、エントリー資格を取得できます。その後、書類を提出し、個人面接へと進みます。

オープンキャンパス体験型入試は、総合型選抜(AO入試)のひとつとして設定されていることが多く、他大学との併願ができない場合もあります。本当にその大学に行きたいのかを考え、大学の雰囲気や自分のやりたいことが合致しているのかを見極め、選択したいものです。

(文=柿崎明子)

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