「建設・住宅業界に就職したい」 初めて1位になった大学はどこ?

2023/04/20

■就職に役立つ大学選び

東京都心などで大型再開発が進んでいることもあり、建設・住宅業界への就職人気が高まっています。では、この業界への就職に強い大学・学部はどこでしょうか?新しい学部や学科も続々生まれています。調べてみました。(写真提供=工学院大学)

人気大学トップが交代

建設・住宅業界は、専門性を生かせるだけでなく、都市計画や開発にも携わることができることから、人気の業界です。大学通信の情報調査・編集部部長、井沢秀さんも「採用人数が多く、就職する大学の裾野も広い。大学生にとっては魅力的です」と話します。

大学通信が調査した2022年の「有名企業400社への実就職率」(大学院進学者を除いた卒業生のうち何人が就職したかを示す)ランキングの建設・住宅部門でトップになったのが、工学院大学です。長年1位だった芝浦工業大学を抜いて、今年初めてトップに躍り出ました。

日本で初めて建築学部を設置

工学院大学の建築学部は2011年に日本で初めて、学部として設けられました。その経緯を建築学部長の筧(かけひ)淳夫教授は次のように話します。

「以前は工学部の中に建築学科として設置していましたが、建築は工学なのかという議論が学部内で起きました。構造や設備は工学ですが、建築はデザインというアートも内包しており、どちらかというと文系寄りの建築経済という分野もあります。より幅広く建築の分野を学んでもらうために、建築学部として独立させました」

「まちづくり学科」「建築学科」「建築デザイン学科」の3学科がありますが、入学時に学科を定めない「建築学部総合」の入試を受験し、3年次に学科を決めることもできます。建築学部では、1・2年次に全学科共通のカリキュラムで建築の幅広い知識を身につけ、3・4年次に3学科の計12分野から選択して学びます。一つの分野に軸足を置きながら、他分野も興味に合わせて自由にカスタマイズして履修します。入学時の学科を3年次に変更することも可能で、さらに4年次の卒業研究では、所属と異なる学科の指導教員を選ぶこともできるカリキュラムになっています。

筧教授はこの柔軟なカリキュラムが、「大学での学びを生かした就職を実現する強み」と言います。

「高校を卒業したばかりの時点では、自分の進路をはっきりと決められない学生も少なくありません。本学部は入学時、3年、4年と、方向性を見直す機会が何度もあるので、自分が進むべき職業の選択が段階を追って明確になってくるのです」

グローバル人材を育てる留学制度

少子高齢化に伴い、国内建設市場の縮小が予想されるなか、建築・建設業界では海外展開が進んでいます。国際的なコンペで活躍する日本人建築家も少なくありません。

工学院大学では、海外で活躍する人材を育成するために「ハイブリッド留学®」という独自の留学制度を設けています。建築学部生は、英国でホームステイをしながら協定校に3~4カ月留学。協定校で英語を学びながら、建築分野は工学院大学から派遣された教員の授業を受ける制度です。2022年は26人が参加しました。日本語でしっかりと専門分野を学びながら、海外生活を体験し、フィールドワークで歴史ある建造物や街並みに触れることができます。

さらに22年からデジタル教育に本格的に取り組み、データサイエンスとものづくりを融合した分野横断型のデジタル教育が、文部科学省の「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」に採択されました。

「コンピューター上で設計から施工、維持管理、解体までの情報が一元管理される時代ですから、建築業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成が急務になっています」(筧教授)

22年秋には、3Dシミュレーションで建築のスケール感を把握できる縦2m×横7mの巨大ディスプレーなどがある「デジタルツインラボ」が開設されています(冒頭写真)。

実就職率1位の背景には、学生と社会の両方のニーズに対応した柔軟なカリキュラムと、時代に合わせた教育環境の充実があるようです。

後編はこちら:女子人気も高まる建築系学部、広がる就職の選択肢【就職に役立つ大学選び】

大学通信「大学探しランキングブック2023」から「2022年 著名400社 業種別実就職率」を一部引用。
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